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どうなる!?外国人による不動産規制

冬の寒気が身にしみる頃となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。スーパーにいくといろんな種類の鍋スープが販売しており、これで冬を乗り越えるつもりです。加えて、昨今はラーメンのスープだけが販売しており、「長崎ちゃんぽん風」、「二郎系風」、「家系風」など種類が豊富で、味もかなり本格的でお店に行かなくてもお店さながらで食を楽しめる冬の強い味方です。

 

 

なぜ、外国籍による不動産購入に注目が集まるのか

 

近年、東京都内で外国籍オーナーによる賃貸住宅運営のトラブルが相次ぎ、社会的な関心が高まっています。たとえば2025年初頭、東京都板橋区の築40年以上の賃貸マンションが中国籍企業へ所有権移転した直後、入居者へ月額約7万円の家賃を約20万円に引き上げる通知が出されました。さらに、物件を無届けで民泊として運用しようとした形跡があり、エレベーターが停止されるなど、高齢者も多い居住者に大きな負担が生じました。最終的にオーナー側は値上げを撤回しましたが、一連の出来事は日本の賃貸市場が抱える課題を鮮明に示すものとなりました。また、オリンピック選手村跡地として注目されてきた晴海フラッグにおいても、無届け民泊や違法転貸、投機目的での大量取得などが報道され、住民の間に不安が広がっています。悪質な業者は物件から少し離れた電柱に無許可でキーボックスを取り付けて、事前に宿泊者に暗証番号を伝えて鍵渡しを行っています。こうすることによって、現地に到着しあたふたする様子を現地住民へ見せず、まるでマンションを所有しているかのように見せかける悪知恵を働く業者もあるとのこと。こうした具体的な事例が続いたことで、「外国籍による不動産購入・保有」に対する規制の必要性が、一般市民だけでなく政策の場でも強く意識され始めています。その流れの中で、高市早苗政権下でどのような制度改革が進むのかが注目されています。

 

 

なぜ「外国籍」でも不動産購入が可能なのか

 

日本では、外国人や外国法人による土地・建物の購入を直接禁止する法律が存在しません。戦前に制定された外国人土地法はあるものの、戦後は政令指定がほぼ行われず、実質的に機能していない状態が続いてきました。そのため、永住資格の有無を問わず、外国籍の個人や法人が日本の不動産を取得することが比較的容易なのが現状です。この「開放性」はこれまで海外マネーを呼び込み、都市開発や投資の促進に寄与した面があります。しかし、同時に近年のトラブルが示すように、規制の不備が市場や住環境に深刻な影響をもたらすケースも増えています。

 

 

なぜ他国では外国籍による不動産購入が制限されるのか

 

海外では、外国人による不動産購入を制限する国が増えています。住宅不足や価格高騰、投機的買い占め、さらには安全保障上の懸念など、さまざまな背景があります。オーストラリアでは、既存住宅の外国人購入に厳しい制限が設けられていますし、カナダ、ニュージーランド、ヨーロッパの一部地域でも非居住者への購入規制や重課税が導入され、多くの先進国が「地域住民の住宅を守る」政策に舵を切っています。こうした国際潮流と比べると、日本の制度は非常に緩いと言わざるを得ません。これもまた国内で規制見直しが求められる一因となっています。

 

 

なぜ高市政権は規制強化に向かう可能性が高いのか

 

高市早苗政権は、安全保障上の懸念や外国人政策の見直しを重要課題に掲げています。複数の報道でも、政府が外国人による土地取得のあり方を検討していることが指摘されており、規制強化は現実味を帯びています。特に、板橋マンションの強引な賃料引き上げや晴海フラッグでの無届け民泊問題は、「制度の抜け穴」が実害として現れた象徴的なケースであり、政策判断に影響を与えやすいタイミングと言えます。

 

 

今後想定される「現実的な規制」と制度改革の方向性

 

ここからは、高市政権下で導入される可能性が高い施策を見て行きましょう。

 

・重要施設周辺地域での取得制限
自衛隊基地、レーダー基地、港湾・空港、通信インフラ周辺など、国防・安全保障に関わるエリアで、外国人または外国資本による土地取得を制限・許可制とする可能性があります。これは外国人土地法の現代版とも言える動きです。

 

・購入前の事前審査・許可制度
一定規模以上の土地や、用途が不明瞭な不動産を購入する際、国や地方自治体による事前審査を義務付ける制度の導入です。海外では一般的な仕組みで、日本でも導入の可能性は高いと考えられます。

 

・実質的所有者開示の義務化
名義だけ日本法人にして実際は外国人が所有しているケースを防ぐために、真の所有者情報を開示・登録する制度の強化が想定されます。

 

・税制による抑制(非居住者への課税強化)
取得税・固定資産税の上乗せや、投機目的の売買を抑える譲渡税の強化など、直接的な規制ではなく税制面からコントロールする施策も考えられます。

 

・既存所有者への監視・報告義務
すでに外国資本が所有する不動産についても、用途報告や更新手続きの義務化、場合によっては行政措置としての売却命令も視野に入る可能性があります。

 

・国別リスクに応じた審査の強化
制度上は「国籍問わず」としても、実際には特定国に対して厳しくなる運用が予想されます。外交関係や安全保障リスクを踏まえ、柔軟に調整される形になるでしょう。外国人の不動産取得を完全に禁止することは、国際投資ルールや資本の流れを踏まえると難しい面があります。海外資本が地域開発や都市再生に与えるメリットもあるため、規制一辺倒では日本経済に逆効果となるおそれがあります。そのため、日本が選ぶべき道は「重点分野のみ規制強化」「透明性の確保」「投機抑制と安全保障の確保」といったバランスのとれた制度設計になるのではないでしょうか。

 

 

まとめ 「開放」と「安全」のはざまで日本が進むべき道

 

板橋の賃貸マンションや晴海フラッグで起きた問題は、日本の不動産を取り巻く国際化と規制の不整合が表面化した象徴的なケースです。いま日本社会に求められているのは、「外国資本を必要以上に排除する」のでも「無制限に受け入れる」のでもなく、透明性と安全性を確保しつつ健全な市場を維持する制度整備です。高市政権が推し進めるとみられる規制は、日本の不動産市場に大きな変化をもたらす可能性があります。その変化に備え、実務者・居住者ともに正確な情報を把握し、適切に対応していくことが重要だといえます。