
オーナーチェンジ物件の注意点
何を言うかは知性、何を言わないかは品性、どういうかは人間性
最近、この言葉をどこかで聞いて私自身も気を付けようと思いました。
話すときは出来るだけ5W1Hを添えてお話をして、聞くときは区切りが着くときまで割って入らず、趣旨が伝わるなら優しい言い回しを選ぶように習慣づけをしていきます。さあ、そんな成果が早速出るような記事を書いたつもりです。よろしければ一読をお願いいたします!
不動産購入時におけるオーナーチェンジ物件の注意点
― 利回りの裏側に潜むリスクを見抜く ―
オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者がいる状態のまま売買される不動産のことを指します。購入後すぐに賃料収入が発生する点は大きな魅力であり、特に投資初心者にとっては「すでに収益が出ている物件」として安心感を与えやすい取引形態です。一方で、オーナーチェンジ物件は建物だけでなく、賃貸借契約や入居者との関係性も含めて引き継ぐ取引であるため、十分な確認を行わないと想定していた収益計画が大きく崩れるリスクがあります。
まず最初に確認すべき点は、賃貸借契約の内容です。普通借家契約か定期借家契約か、契約開始日や更新条件、賃料改定の可否、特約条項の有無などを細かく確認する必要があります。特に注意が必要なのは、前オーナーと入居者の関係性です。親族や知人、売主の関係者が入居している場合、市場相場とは乖離した賃料設定や、買主に不利な特約が付されているケースも見受けられます。
次に重要となるのが、賃料が実際に継続して支払われているかどうかの確認です。契約書に記載された賃料だけで判断するのではなく、直近数か月から一年程度の入金履歴を確認し、滞納の有無や売主による立替が行われていないかを把握することが重要です。表面利回りが高く見える物件ほど、実態とのズレが生じている可能性があります。
ここで特に注意したいのが、利回りが極端に高く設定されているオーナーチェンジ物件です。実務の現場では、売主やその関係者が一時的に入居者となり、相場よりも明らかに高い賃料を設定した状態で売りに出されるケースが存在します。いわゆる「サクラ入居」の状態です。帳簿上は高利回りに見えるため投資効率が良い物件と錯覚しがちですが、購入が決まり引渡しが完了すると、数か月以内にその入居者が退去してしまうことがあります。
その後、同じ賃料条件で募集を行っても、市場相場と乖離しているため入居者が決まらず、結果として大幅な賃料の引き下げを余儀なくされるケースも少なくありません。このような場合、当初想定していた利回りは成立せず、融資計画やキャッシュフローに大きな影響を及ぼします。これは予測不能なリスクではなく、事前に相場確認や入居者属性の精査を行っていれば回避できた可能性の高いリスクです。
また、入居者の属性についても把握しておく必要があります。高齢者や生活保護受給者、長期入居者など、それぞれにメリットとデメリットがあります。重要なのは属性そのものを良し悪しで判断することではなく、将来的に賃料改定が可能か、退去の可能性はあるのか、管理上の負担がどの程度発生するのかを冷静に見極めることです。入居者の状況によっては、将来の売却や用途変更といった出口戦略が制限される場合もあります。
さらに、建物の修繕履歴や管理状況の確認も欠かせません。給排水管や屋根、防水、設備の更新履歴が不明確な物件は、購入後に突発的な修繕費用が発生する可能性があります。特に長期間個人オーナーによって自主管理されてきた物件では、必要な修繕が後回しにされているケースもあり注意が必要です。
オーナーチェンジ物件は、決してリスクの高い取引ばかりではありません。しかし、利回りという数字だけを見て判断すると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。その賃料が市場相場に見合っているか、入居者は第三者なのか、退去後も同条件で再募集が可能かといった視点を持つことが重要です。
オーナーチェンジ物件の本質は、不動産そのものではなく「賃貸事業」であると言えます。数字の裏側にある契約内容、入居者、市場性を丁寧に読み解くことが、安定した不動産投資を行うための第一歩となります。

