
不動産購入におけるペアローンとは
寒さ真っ最中ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。外に出るのも億劫なため、家でドラマを見ています。山下智久の「正直不動産」や多部未華子の「これは経費で落ちません」が個人的にヒットし、いろいろな場面で確かにこんなことあるよなぁと共感する場面が多かったです。さてさて、前置きはこのくらいにして今月のテーマはローンについてです。
不動産購入におけるペアローンのメリット・デメリットを徹底解説
近年、住宅価格の上昇や共働き世帯の増加を背景に、「ペアローン」を利用して不動産を購入するケースが増えています。特に都市部では、単独名義の住宅ローンでは希望条件を満たせないことも多く、夫婦やパートナーが協力して住宅ローンを組むことが一般的になりつつあります。
しかし、ペアローンは便利な一方で、仕組みを十分に理解しないまま利用すると、将来的なリスクを抱える可能性もあります。本コラムでは、ペアローンの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、注意点までを詳しく解説します。
ペアローンとは何か
ペアローンとは、一つの不動産に対して、夫婦やパートナーそれぞれが主債務者として別々に住宅ローンを組む方法です。
例えば、夫が3,000万円、妻が2,000万円の住宅ローンを組み、合計5,000万円の物件を購入するといった形になります。
この場合、
- ローン契約は2本
- 所有権も原則として出資割合に応じて共有
- お互いが相手のローンの連帯保証人になる
という特徴があります。
なお、「収入合算」と混同されがちですが、収入合算は主債務者が1人であるのに対し、ペアローンは両者がそれぞれ主債務者である点が大きな違いです。
ペアローンのメリット
1.借入可能額を大きくできる
最大のメリットは、借入可能額が大きくなることです。
それぞれが住宅ローンを組むため、単独では届かなかった価格帯の物件にも手が届くようになります。特に新築マンションや都心部の戸建てなど、物件価格が高額なエリアでは、ペアローンを前提に購入計画を立てるケースも少なくありません。
2.夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる
ペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を利用できます。
これは税制上非常に大きなメリットです。
例えば、
- 夫:年末ローン残高3,000万円
- 妻:年末ローン残高2,000万円
それぞれが控除対象となり、世帯全体での節税効果は単独ローンよりも高くなります。
3.返済負担を公平に分担できる
共働き世帯にとって、収入に応じてローンを分担できる点も魅力です。「住宅は家族の資産であり、費用も公平に負担したい」という価値観に合致しやすく、心理的な納得感が高い点も見逃せません。
4.自己資金が少なくても選択肢が広がる
ペアローンにより借入額が増えることで、手元資金を大きく減らさずに購入できる場合もあります。引っ越し費用や家具・家電、将来の教育資金を確保しながら住宅購入ができる点は、家計管理上のメリットと言えるでしょう。
ペアローンのデメリット
1.離婚・別居時のリスクが非常に大きい
最大のデメリットは、離婚や別居が発生した場合の処理が非常に複雑になることです。
不動産は共有名義、ローンは2本残るため、
- どちらが住み続けるのか
- 売却する場合、ローン残債をどうするか
- 相手の返済が滞った場合の責任
など、多くの問題が発生します。
特に相手のローンの連帯保証人になっているため、相手が返済できなくなった場合、自分が返済義務を負う点は大きなリスクです。
2.一方が退職・収入減少した場合の負担増
共働きを前提としたペアローンは、どちらかが
- 出産・育児
- 病気
- 介護
- 転職や失業
などで収入が減少すると、家計バランスが大きく崩れます。
単独ローンよりも「前提条件が崩れた際の影響」が大きい点には注意が必要です。
3.諸費用が2倍かかるケースがある
ペアローンはローン契約が2本になるため、
- 事務手数料
- 印紙税
- 登記費用(抵当権設定)
などが単独ローンよりも割高になる場合があります。
金融機関によっては数十万円単位の差が出ることもあり、事前確認が欠かせません。
4.借り換えや売却の自由度が下がる
将来、住宅ローンの借り換えや不動産の売却を検討する際も、ペアローンは手続きが煩雑です。双方の同意が必須となり、どちらか一方の事情だけでは判断できないため、柔軟性に欠ける面があります。
ペアローンが向いている人・向いていない人
向いている人
- 共働きで収入が安定している
- 長期的に同じライフプランを共有できている
- 離婚時や万一の事態についても話し合いができている
向いていない人
- 将来の働き方が不透明
- 片方の収入への依存度が高い
- 不動産を「柔軟に売却したい資産」と考えている
まとめ
ペアローンは、住宅購入の選択肢を大きく広げてくれる一方で、人生の変化に対するリスクも大きく抱える制度です。「今、買えるかどうか」だけで判断するのではなく、10年後、20年後のライフプランまで見据えたうえで検討することが重要です。不動産購入は人生で最も大きな契約の一つです。ペアローンを検討する際は、金融機関だけでなく、不動産会社や専門家にも相談し、自分たちにとって最適な選択をすることを強くおすすめします。

