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2025年テーマ『脱皮』Ⅳ

2013年JCで初の理事を任され、その年に入会してくるアカデミー生の世話役担当となった。JCは単年度制で立場が変わりその役目を演じることで、様々な経験ができるのが楽しいところだ。会社の休みの事で悩んでいた時に、同じ委員会で『先ずはやってしまうことだよ』と当たり前のことだが、異業種の経営者たちと経営談議に花を咲かせていると何とも力強い後押しとなり、この年に完全週休二日制とした。売り上げが下がるのではないかと懸念したが、新しい事業が軌道にのっていたこともあり特に変わることはなかった。

アカデミー生の春日正光君とは新しい出会いであった。彼は、遅刻はしょっちゅうだし、漢字も読めないし話は下手くそでだらしないところが多々ある、パソコンもダメだ。でも、周りを巻き込む力が強くて輪の中心にいる。参謀は出来ないけれど大将向きで、皆が楽しくなる中々面白い人物。その彼を引っ張っり上げて、2014年に日本青年会議所に出向し、全国大会運営会議の副議長を担うこととなった。参謀として連れて行ったもう一人が、現在の会計事務所を紹介してくれた三和観光株式会社代表取締役の小林佑次君だ。彼は当時の埼玉中央青年会議所の中でもトップの頭脳明快男で、論理的思考力や課題解決力、コミュニケーション力に長けていて、確かMBAを取得していたはずだ。この二人の男と朝から晩まで四国松山を駆け巡る一年間を通して、切っても切れない一生の仲間となる。

『金儲けは一時のことだが、信用は一生の財産だ。』と三條慶八著の「経営の極意」にもあるのだが、正にそれらを実体験してきたところだ。会社に居ないと色々と嘆く身内もいたものだが(今でもいる)、会社経営にとっては必要なことだと思う。家族はもとより社員たちにも中々理解されないこととは認識しているものの、金では買えない一生の仲間と異業種コミュニティが出来たことで、卒業してからお互いの仕事で繋がるようになり、私の人脈づくりの土台が強固なものになっていったわけである。

さて、話を戻そう。先ずわが社の経営理念『住まいを通じて“人”を幸せにする会社』を理解することから始めなければならない。物事には、背景・目的・展望とあり、目的達成のための手法がある。お部屋を紹介したり、アパート・マンションや駐車場を管理したり、土地を売ったり買ったりすることは手段であって目的ではない。先の下町ロケットにあった「では、あなたの会社は何をする会社なんですか?」と問うている時に、私が答えられなかったのはココをしっかり見定めてなかったからに他ならない。

我社の目的は“人”である。人の幸せである。人とは、①社員、②この地域に住んでいる人、③この地域に住もうと決めた人、という順番となる。先ずはここで働く社員が仕事を通じて幸せでになること、その人たちが集まって会社という組織でいることである。幸せとは「やりがい」と「いきがい」をもって働ける舞台があること、ここで働く社員たちがイキイキと働く姿がわが社の一番の商品と考えている。住まいとは、広くは不動産業という事だが、不動産は地場に根付くという先代の教えもあり、全然知らない地域のことまでは目が行き届かないので、事務所から半径3㎞という狭い地域を指し示している。②この地域に住んでいる人とは、オーナーさんや家を買ってくれた人など地域に根ざして生活している方々を指している。

つまりは、この地域の不動産業に携わる中で、自らの人間力を高めて明るい豊かなまちづくりに貢献しながら、やりがいといきがいをもって働ける環境の中で、縁あって知り合えた人たちと共に一緒に仕事をして、みんなで幸せになっていく。という理念である。人を雇う目的は、この経営理念やビジョンを実現するためにあるはずで、自分が楽するために雇うものではないのだ。『人を育てる気がありますか?』そんな言葉が聞こえてきたこの頃、いよいよ私も脱皮する時ではないかと確信にも似た感があるところである。

『社長もプレイングマネージャーで大変だろうけど、一企業の代表なのだから社員のことはもっとちゃんとみてやらないとダメだし、組織の長としてしっかりしないとダメだ』そんな風に叱られたのは3年近く前の事だ。悔しくも恥ずかしい気持であったが、お客様の言葉は大変ありがたく今でも心に染み込んでいて、当時の記憶が鮮明に思い出される。プレイヤーでマネージャー。あなたそのままでいいんですか?そんな風に問われているような気がしていたわけである。

新卒採用を続けてくると毎年驚くことが多々ある。彼ら彼女らは私たちとは全く別の人種なのではないかと思われる時があるほど『優秀』なのだ。嫌味でも上から目線でもなく、心からそう思わざるを得ない。若い人たちは、私たちより高度な教育を受けてきているわけだから当然と言えば当然だが、生まれながらにして手元にスマホなりインターネット環境があり、情報処理能力もズバ抜けている。2011年北君と受けた講義において、私たち(昭和世代としよう)は、10年ひと昔とよく言ったものだが、今は何年かご存じだろうか?という問いがあった。当時の答えは2年半であったから、今は2年を切る勢いかもしれない。その位、現代は時間の密度が濃いのだ。

新卒上がりの彼ら彼女らは、こちらのつたない説明でもちゃんとできる。やらせてみると案外できてしまったりする。まぁ粗削りもいいところなのだが、それでも何とか形にはするし、ヒントを与えてやるとグンと伸びるのが手に取るように分かってくる。面白いのでもっとドンドン任せたくなる。好きにやってみなはれ(京都風)と任せ続けてみると、自分で自らやるよりも、部下たちがたくさんのこと、しかも質のよいことを生み出せていると感じる瞬間に出会うことがある。

明日へと続く…