安酒を飲むな、いい酒を飲め
先日、同業者でとある先輩が新しくオープンした飲食店に、(株)ノースコーポレーションの北康信社長といってきたときの話である。先月末に無事に終えたシンポジウム事業の労いをしてくれるとお誘いを受けたものであった。
北君とは青年会議所の同期であり、同性代の経営者仲間であり、尊敬する一人でもあり、親友でありライバルでもある。お互い仕事以外でもいろいろと役回りがあり事業なども手掛けていながら、時間を見つけては飲みに行く間柄である。お互いに毎回なんらかしら仕事や人生の上でのヒントをもらっている。そしてこの4月、彼のところは新卒入社6名を発表した。飲食業界にあって週休二日制など労働改革も行っていることも要因の一つだろうが、何かヒントがあるか聞いてみたところ次のような答えが返ってきた。
“共感”
若い彼らに率直に共感できるものをうたうことができるかというもの。北君の会社はさいたま市で若くチャレンジ精神あふれる農家と需要のあるレストランとを結びつける、さいたま市産ヨーロッパ野菜の普及(ヨーロッパ野菜研究会)による「地産地消」や、本当においしいものは美味しいということ等さいたま市産の野菜と共に、小学校の給食にシェフを派遣し「食育」を行っている。このような「地産地消」「食育」といった分かりやすく“共感”できるものが今の学生には必要不可欠なのではないかということであった。
痛いところを突かれたが、なんの利害関係のない本当の友だからこそ、本気本音の語りができると思う。酒の値段は関係ないが、グラスにつゆが付かないものを好んでいただくようにしている。その理由はまた後日に取っておくことにしよう。「いくら高い酒でも、馬鹿話をしたり、愚痴をこぼしたり、取るに足らない話をしていたのでは安酒をのんでいるのと同じこと。」よき友と人生や世界を語り合いながら飲む酒こそいい酒です。限られた時間を有意義に過ごしていきたいものである。