
冬に間に合え!断熱・省エネリフォーム

金木犀の甘い香りが漂う季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
この時期になると毎年思い出すことがあります。それは夕方のニュースでスズメバチハンターの特集が組まれていることです。10月のスズメバチは新しい女王蜂が生まれ、巣が活発になるため、1年で最も攻撃性が高まる危険な時期なのだそう。ニュース映像では様々なやり方で巣を撃退しています。煙で燻す、殺虫剤をまく、巣をまるごと落として素早くビニールで包むなどなど。巣を傷つけずにそのままの状態で駆除後の大きいハチの巣を見ると「うわっでっか!!」と思わず声が出てしまいます。さて、雑話はこの辺にして今回の不動産コラムのテーマは断熱・省エネリフォームです。
秋のうちに備えたい「断熱・省エネリフォーム」
~冬をあたたかく、暮らしを賢く~
朝晩がぐっと冷えてくる10月。窓を閉めても「なんだかスースーする…」なんて感じたことはありませんか?これからやってくる冬を快適に過ごすために、今の時期に注目したいのが断熱・省エネリフォームです。暖房を強くしてもすぐに部屋が冷える、光熱費が気になる、そんなお悩みを抱えている方にとって、断熱リフォームは家計にも健康にも優しい選択肢です。
なぜ日本の家は寒いの?
日本の住宅は「夏を涼しく過ごす」ことを中心に考えられてきました。
そのため冬の寒さ対策はやや後回しになってしまい、暖房しても熱が外に逃げやすい家が多いのです。「エアコンをつけても足元が冷える」、「お風呂や廊下との温度差がきつい」こんな体験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。実はそれ、家の断熱性能が十分でないサインかもしれません。
断熱リフォームのうれしい効果
断熱リフォームをすると、暮らしのいろんな場面で変化が感じられます。
• 光熱費が下がる
熱が逃げにくくなるので、少ない暖房でお部屋があたたかく。毎月の電気代・ガス代の節約につながります。
• 健康にやさしい
家の中の温度差が減るので、ヒートショックのリスクが軽くなります。特に冬のお風呂は安心度が変わります。
• 家の価値もアップ
省エネ性能の高い住宅は、これからの時代ますます評価されるようになります。将来の売却や賃貸でも有利になるかもしれません。
どんな方法があるの?
リフォームと聞くと「大がかりで大変そう」と思われるかもしれません。でも、工事の内容は意外と選択肢が豊富です。
• 窓の断熱
一番人気なのが「内窓(二重窓)」を取り付ける方法。1日で工事が終わることもあります。窓を複層ガラスに替えるのも効果的。
• 床や天井に断熱材をプラス
床下や天井裏に断熱材を入れると、家全体が底から暖かくなります。
• 設備の見直し
省エネエアコンや高効率給湯器に交換すれば、さらに光熱費を抑えられます。
断熱材 豆知識
断熱材は大きく分けて3種類あります。鉱物系・石油系・自然系とそれぞれ分かれますが、鉱物系だとロックウールというものがあります。これは玄武岩や鉄鋼スラグと呼ばれる製鉄時の副産物などを溶かして繊維状にした断熱材です。防火性に優れており鉱物系の価格は3種類の中でも安価です。
石油系だとのビーズ法ポリスチレンフォームという長い名前の断熱材があります。これは皆さんおなじみのいわゆる発泡スチロールと言われるものです。耐水性があり、軽くて衝撃に強い特徴があります。
そして最後にご紹介するのは自然系のセルロースファイバーです。たまに耳にすることがあるかと思いますが、具体的に説明できる方はなかなかいないのではないでしょうか。新聞の古紙などを粉砕して綿状にした断熱材のことを指します。施工方法は吹き込みと、吹きつけの2種類があります。吹き込みは専用の機械で雪がふんわり積もっていくような感じで断熱材を入れるのですが、見ていて気持ちが良いので気になる方は一度検索してみてください。断熱材は隙間なくびちびちに詰めて部屋の気密性を高くすることで効果を発揮します。施工会社によっては適当に断熱材を入れてしまうところもあるかもしれません。可能であればお願いしたい施工会社の別の現場の断熱材を入れている作業を見学させてもらうのも一案です。
補助金を使えばおトクに
やってみたいけど、費用が心配… という方に朗報です。
国や自治体では、断熱や省エネリフォームを応援する補助金制度が用意されています。例えば「住宅省エネキャンペーン」では、窓の断熱リフォームや高効率給湯器の導入に数十万円単位の補助が受けられることも。秋のうちに情報収集をしておけば、冬に間に合う形で申請できる可能性があります。
工事は「秋」がベストタイミング
実は断熱リフォームに適しているのは、今の季節。
冬本番になると工事業者の予定が埋まりやすく、工事中に寒さで困ることもあります。秋なら気候も穏やかでスケジュールも取りやすいので、まさにベストタイミングです。
まとめ
断熱・省エネリフォームは、冬の暖かさを確保、光熱費の節約、家の価値も守れるという、一石三鳥の工事です。寒さが本格化する前の今こそ、住まいの快適さを見直すチャンス。今年の冬はあたたかく、賢く過ごしたいそこのあなた!この秋に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。