実行催促
父が愛してやまないアサヒスーパードライ
資質向上委員会に所属していたあの頃。北君を筆頭に副委員長として対談のご挨拶を兼ね、浅草のアサヒビール本社に訪れたのは2012年だ。艶やかで随分シャンとしているお方であった当時の代表、福地茂雄さんとの対話は愛読書ビジョナリーカンパニーから“時を告げるのではなく時計をつくる”の一説を引用して、大いに経営理念の大切さを説いていた。『理念は変わっても構わないものでしょうか?』恐れ多くも質問した私に、「理念とは普遍的なもので変わるものではない。変わるならばそれは理念ではなく“実行催促”でしょう」と答えてくれた。
立派な志があって始めたわけではないが、存在し続けているのであれば社会から必要とされていると信じて、皆が共有できる価値観を言葉に乗せてつくった経営理念がわが社にもある。あれから10年、経営理念としてきた言葉は実行催促だったのか?いま改めて自らに問う時の様だ。組織運営とは当たり前のことながら難しいものだし、分からないことが多分にあるところ。常に勉強せねばならぬ、明るい日へと続く…